公益社団法人 日本海員掖済会 宮城利府掖済会病院

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【第47号】冨永愛『美の法則』に学ぶ

 どの分野でもトップを行く人は極めているなあ。トップモデルの冨永愛さんがこのほど出版された『美の法則』についてラジオで語っておられたのを聞いてそう思った。冨永さん曰く:良い姿勢を保つには丹田を意識することが大切であると。モデルの方から丹田という言葉が出てくることにまず驚いた。体が資本の仕事をやっておられることもあるのだろうが、冨永さんはヨガやピラディス、武道などにかなり精通しておられるようである。

 冨永さんによると、良い姿勢を保つコツは大腿部の内転筋に力を入れ、肛門を締め、臍の下5㎝でそこから5㎝奥にある丹田を意識し、そこからまっすぐ線が背中を通り頭から抜けるイメージを持つことであると。そのイメージを持ち骨盤を立て、上腹部を引き上げ、肩の力を抜く。そうすることにより骨盤が理想的な位置に保つことができるし、猫背も同時に回避することができる。当方もこれまで外来で姿勢について重心のかけ方や体軸に対する頭部の位置、肩の位置や胸部の開き具合などで良い姿勢の指導をしてきたがこれは統一感のある良い説明だなと感心した。姿勢が命のモデルの世界でトップを走っておられる方の話には説得力がある。

 丹田を意識し内転筋に力を入れ肛門を締め骨盤を正しい位置にキープすることは腰痛の回避のみならず、骨盤周囲の自律神経に良い影響を与え、精神や内臓機能に良い影響を与えると考えられる。そこから、病と闘う力も生まれてくるであろう。また内転筋に力を入れ肛門を締めるというのは空手のナイハンチの姿勢でもある。この姿勢をとることで体のエネルギーを漏らさず一か所に集め効率よく利用することができ、武道においては相手に対峙できる力を得ることができる。余談であるが当方がしばしばとっている四股立ちや相撲の蹲踞の姿勢やストリートダンスのロッキングの姿勢は、低いところにある物をとったり、患者さんの高さに視線を落としたりするような骨盤の正しい位置をキープしにくい状況下でも冨永さんがおっしゃる骨盤の正しい位置をキープするひとつの方法である。冨永さんの美の法則を守るための四股立ちだと言えば、回診で四股立ちして変な医者と思われている当方も少しは汚名挽回できるかな。

 丹田を意識し、背骨から頭に線が抜けるイメージを持つということは猫背も自然に解消させる。それは体のパーツを体軸からずらさないようにするシンプルかつ極めて有効なコツと思われる。それにより猫背が是正されることは肩凝りから解放されるのみならず胸が開き大きく呼吸することが可能となることを意味する。深呼吸ができるようになると精神状態も安定していくのである。

 姿勢以外についても冨永さんの『美の法則』には面白いことが書いてある。顔の皮膚を頭の後ろに集めるイメージを持つと瞬時に顔の表情を良くすることができるのだとか。さすがモデルさんそんなテクニックがあるのかと驚くばかりであるが、日頃無表情で愛想のない当方もこれで人間関係を円滑にできるかもしれない。

発行日:2020.07.6